2024年10月29日に開催されたDSカフェでは、「山形五堰」の一つである「笹堰」をテーマに、人文社会科学部の石黒志保先生と『まちの記憶を残し隊』および『生物学研究会』の学生4名をお迎えし、笹堰の歴史や環境調査、保全活動についてお話しいただきました。
ご講演のトップバッターの石黒志保先生には、「本日のお話の全体像」をお話しいただき、詳細な内容を『まちの記憶を残し隊』と『生物学研究会』の学生のみなさんに、それぞれお話しいただきました。
山形五堰の歴史、現在、今後の課題
まちの記憶を残し隊:鈴木琉星氏・田辺稔英氏
400年前から続く「山形五堰」の歴史について、図や写真を用いたわかりやすい解説が行われました。山形大学小白川キャンパス脇を流れる笹堰は、地元の住民や学生からも親しまれ、長い歴史と共に地域に根付いています。その歴史を後世に残すため,近隣住民のオーラルヒストリーの取りまとめや環境保全活動としての清掃活動について紹介していただきました。また、山形市農林部農村整備課の方への聞き取り調査などを交え、山形五堰を取り巻く現在の問題点と今後の課題についてご発表いただきました。
笹堰の環境調査 ~生物と水質の話題を中心に~
報告者:生物学研究会 樋口眞人氏・安藤みこと氏
続いて,生物学研究会による笹堰の水草や水生生物(昆虫、魚等含む)の生育状況や、独自の水質調査結果等についての報告が行われました。かつて食用にもされていた「バイカモ(梅花藻)」ですが,下流の水量減少(~枯渇!)やゴミによる水質汚染の影響で、その生育は非常に厳しい状態にあることや、上流と下流では生物相がかなり異なることも報告されました。このような現状から、笹堰の生態環境を守るためには、恒常的な水質改善が急務であると浮き彫りになりました。
今回のDSカフェでは、笹堰の歴史的価値を知ると同時に、その保全活動が未来の環境改善に繋がる可能性について考える機会となりました。笹堰をはじめとする「山形五堰」を未来に残すために、今後もこのような取り組みが継続されることが期待されます。
見逃し配信を含めて31名の方にお申込みいただき、当日は会場7名、オンライン9名の方にご参加いただきました。